医療福祉業界ピックアップニュース
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文書作成日:2019/03/14
電子カルテの導入・運用の留意点

 日本は、電子カルテの普及が世界の先進国と比較して遅れていると言われています。業務効率の向上や省スペース化等、導入のメリットが大きい一方で、情報管理の安全性に不安を抱かれる先生も多くいらっしゃいます。
 そこで今回は、厚生労働省が作成したガイドライン(※)から、電子カルテ等の診療情報の電子保存について、どのようなことが要求されているのかをご紹介します。


 電子カルテを日常の診療等で使用するには、その保存した電子化文書を診療中いつでも支障なく取り扱えることが担保されなければなりません。加えて、患者の生死にかかわる電子カルテの情報は、正確さの確保が強く求められ、訴訟等における証拠能力を有する程度のレベルも要求されます。

 ガイドラインでは、電子カルテの要件として、「真正性」「見読性」「保存性」の3つの確保の基準が示されています。


【真正性】

  1.  まず第1の基準として、正当な権限において作成された記録に対し、虚偽入力、書換え、消去及び混同が防止されており、かつ、第三者から見て作成の責任の所在が明確であることが求められています。この場合の「混同」とは、患者を取り違えた記録がなされたり、記録された情報間での関連性を誤ったりすることを言います。

     更に、ネットワークを通じて外部に保存を行う場合には、その転送の途中で診療録等が書換えや消去されたり、他の情報と混同したり等が起きないよう、ネットワーク特有のリスクにも留意することが必要です。

【見読性】

  1.  第2の基準として、診療、患者への説明、監査、訴訟等、それぞれの目的に応じて支障なく(直ちに)、かつ肉眼で見読可能な状態にできることが求められています。

     このため、システム障害の発生時にも重大な支障をきたさずに診療が行えるよう、定期的なバックアップを実施する等の対策が必要となってきます。更に、万一保存情報が棄損した場合には、速やかな復旧に努めなければなりません。

【保存性】

  1.  第3の基準は、記録された情報が法令等で定められた期間に渡って、真正性を保ち、見読可能にできる状態で保存されているかどうかです。

     ウイルスや不適切なソフトウェアの使用、不適切な保管や取扱いによる情報の滅失や破壊、混同、記録媒体や設備の劣化による不完全な情報処理、媒体や機器、ソフトウェアの不整合による情報復元の不能、障害等によるデータ保存時の不整合等、保存性を脅かす原因について、技術面・運用面で対策する必要があります。


 電子カルテ導入の際は、価格や使い勝手だけでなく、上記の3原則の視点を持ってご検討ください。既に導入されている医療機関においては、上記3原則を満たす運用ができているかどうか、スタッフ全体が常に意識を持つことが大切です。


※厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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