コラム
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作成日:2020/02/01
【相続税】相続税節税できない相続時精算課税贈与はどういう場合に有効か?



おはようございます。
広島の相続税専門税理士、棚田です。

1. 相続時精算課税贈与とは・・・


今日は相続時精算課税贈与の話をします。
60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫に贈与する際に「相続時精算課税制度」という制度を使うことを選択することができます。
相続時精算課税制度を税務署にその届を出して選択した場合、それ以降の贈与については合計2,500万円まで贈与税が無税となります。
そして、贈与者が死亡した際に贈与者の相続財産に当該贈与財産を加算して相続税が計算され、もし相続時精算課税で贈与税が課税されていれば、その計算された相続税からその贈与税を控除した金額が納付すべき金額となります。

2. 相続時精算課税贈与は相続税の節税効果がない

ただ注意すべき点ですが、一旦相続時精算課税制度を選択すると二度と年間110万円の基礎控除の枠がある暦年贈与には戻れないので慎重な判断が必要です。

相続時精算課税贈与は、生前贈与を行っても2500万円までは贈与税が非課税となる枠を確保できるものの、相続税の計算上被相続人の相続財産に生前贈与した財産が加算されるために暦年贈与と違って相続税の節税効果はありません。

言い換えれば相続税の節税対策の一つとして生前贈与が挙げられますが、それは暦年贈与のことであり、相続時精算課税贈与は該当しません。

3. 相続時精算課税贈与を利用した方がよいケース

生前贈与が相続税の節税にならないとしてでは、どういう場合に使った方がいいのか、
今までの実務上遭遇してきたケースを整理してみました。

相続時精算課税制度を利用した方がよいケース
@親「年老いた私(親)がカネを大事に抱えていても宝の持ち腐れ。
今はカネがないけど将来有望な息子を金銭援助したい!」
いい親ですね。私もそんな親の子供になりたいです(^^)
元々相続時精算課税制度は、このようなケースを想定しています。

A相続税がもともとかからないご家庭での子供への贈与
推定相続財産が基礎控除(3000万円+500万円×法定相続人の数)内のご家庭であれば、子供への生前贈与も110万円という枠にとらわれず、
イッキに2500万円までの生前贈与をしても贈与税が課税されることはありません。
仮に2500万円を超える生前贈与を行った際には、それを超える金額に対して20%の贈与税が一旦課税されますが、それは贈与者の死亡時に相続税の申告を行うことによって、
既に支払っている贈与税を取り戻すことができます。

B 親「子供は兄弟間の遺産分割で揉めそうだ。
とくにアイツはお人よしだから、もらうべきものをもらえないかもな・・・。」
遺産分割協議は気を遣います。
親が遺言を書いてない場合、兄弟間で誰がどの財産を相続するのか話し合わないといけません。
そんな場合、兄弟間で財産の話をするのは慣れておらずお人よしの一人が言うべきことを言えないケースも考えられるので、前もって贈与税がかからない中で生前贈与を行えばよいのではないでしょうか?

C子供「親は優柔不断で苦労したけど、何とか遺言を書いてもらった。
えっ、遺言って書き直せるの?!」
遺言で一件落着と思いがちだが、遺言はいつでも書き直せる。
特定の遺産の取得を確実にするために、贈与税がかからない中で生前贈与を受けられた方がよいのではないでしょうか?

➄子供「認知症予備軍の親の生活資金の管理に家族信託がいいのはわかっている。
でも、時間もないしおカネもかかるし。」
まず家族信託の法律の話を年老いた親に理解してもらえるか?ということにハードルがあります。
特に委託者・受託者とか難しい法律用語がたくさん出てきます。
また、信託契約を締結するのに法務・税務にも問題ないように、弁護士・司法書士・税理士といった専門家のアドバイスを受けざるをえなく、そこに時間も経費もかかります。
生前贈与をシンプルにできればスピーディ&確実にできます。

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